海外(国際)物流とは?種類や流れ・課題についてもあわせて解説!

海外(国際)物流とは?種類や流れ・課題についてもあわせて解説!

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近年のグローバル社会において、生活を豊かにするだけでなくビジネスを拡大するチャンスを秘めている海外物流は欠かせないものです。

海外物流には、空路や海路など輸送ルートの選択や物流の流れなど、スムーズに遂行するために知っておきたい知識も多くあります。

この記事では、海上輸送から航空輸送まで、さまざまな海外物流の種類について解説します。さらに、物流の基本機能や通関手続きの流れ、輸出入で必要な手続きについても詳細に説明します。

海外物流の基礎と全体の流れを把握し、円滑なビジネスを実現するためにぜひ参考にしてください。

海外(国際)物流とは?

海外(国際)物流とは、国境を越えて商品や資材を輸送することです。

国内物流と比べて輸送機関が長い分費用も高額になるため、最適な輸送ルートの選択が必要です。また、海外との取引は輸入・輸出の扱いになるため、国内物流にはない手続きも多数こなす必要があります。

海外物流にはさまざまな種類や流れがあり、それぞれ事前に知っておくことが重要です。

海外物流の種類

海外物流には、主に海上輸送と航空輸送の2種類があります。それぞれにメリットとデメリットがあり、商品の特性や需要に応じて適切な輸送手段を選択することが重要です。

ここからは、海外物流の種類を細分化して説明します。

海上輸送

海上輸送では、船舶を利用して海を渡り商品を輸送します。海上輸送のメリットは、大量の荷物を一度に運べることや、燃料費が安いことです。

デメリットには、輸送時間が長くかかることや天候や港湾事情などによって遅延する可能性があることが挙げられます。海上輸送の種類には、コンテナ船、在来船、バージなどがあります。

コンテナ船

コンテナ船とは、箱型のコンテナに荷物を詰めて積み込む船舶のことです。コンテナ船のメリットには、荷役作業が効率的であり、荷物の破損や紛失のリスクが低いことが挙げられます。

一方デメリットは、コンテナのサイズや重量に制限があることや、コンテナの空き状況に料金が影響されることなどです。

国際輸送でのコンテナ船の普及には、荷役作業の効率の良さだけでなくコンテナサイズが国際規格で統一されているという背景もあるでしょう。

在来船

在来船は、コンテナ以外の形状や大きさの荷物を積み込む船舶です。在来船のメリットは、コンテナに入らないような特殊な荷物を運べることや、コンテナよりも安い料金で運べることなどが挙げられます。

一方デメリットは、荷役作業に手間がかかることや、荷物の破損や紛失のリスクが高いことです。また、在来船はコンテナ船に比べて燃費が悪く速度が遅いため、輸送時間が長くなる傾向にあります。

バージ

バージは小型の平底船のことで、河川や内陸水路を利用して商品を輸送します。バージのメリットは、港湾施設が不要であることや環境負荷が低いことなどです。

一方バージのデメリットには、輸送速度が遅いことや水位や水路幅に制限されることなどが挙げられます。

航空輸送

航空輸送は、飛行機を利用して空路で商品を輸送します。航空輸送のメリットは、輸送時間が短く遅延の可能性が低いことや、世界中のほとんどの地域にアクセスできることなどです。

一方で航空輸送のデメリットには、輸送費が高いことや荷物のサイズや重量に制限があることなどが挙げられます。

海外物流の機能

海外物流には、以下のようにさまざまな機能や作業があります。

  • 輸送
  • 保管
  • 荷役
  • 通関手続き
  • 流通加工
  • 包装や梱包
  • 情報管理

それぞれをピックアップして見ていきましょう。

輸送

海外物流では、空輸、海輸、陸輸の3つの輸送手段を使って、出荷地から目的地まで商品や資材を運びます。輸送手段の選択する際は、コストや時間、品質や安全性などを踏まえましょう。

海輸はコストが安く大量の商品を運べますが、輸送時間がかかります。一方、空輸は時間が短く品質が高いですが、コストは高いです。

保管

海外物流は国をまたぐ取引となるため、通関に通るまでの間に貨物を保管する場所が必要です。

保管には倉庫やコンテナなどの設備が必要で、在庫管理や需要予測・品質維持などの目的があります。

海外物流の保管設備には、倉庫やコンテナ以外にも港湾施設や空港施設などがあります。

荷役

海外物流では、商品や資材を積み込んだり、降ろしたりする荷役作業を行います。荷役の目的は、効率的な輸送や安全に取り扱うことなどです。

荷役で使う機械は、フォークリフトやクレーンなどが中心です。その他の荷役に使用される機械には、ガントリークレーン、トップリフター、リーチスタッカー、トランスファークレーンなどがあります。

さまざまな機械の導入で。荷役作業の効率の向上を図ります。

通関手続き

国境を超える海外物流では、関税や消費税などの支払いをするために通関手続きがあります。通関手続きには、以下のような書類や証明書などが必要です。

  • 輸出通告書
  • 仕入書 (インボイス)
  • 包装明細書 (パッキングリスト) など

通関手続きに書類や証明書などの資料が必要な理由は、法令遵守やスムーズな通過のためです。

通関手続きをする方法には2つあります。通関業者に通関を依頼する方法と、自身で貨物が保管されている倉庫を管轄する税関に出向き「輸入(納税)申告書」に上記書類を添付する方法です。

流通加工

流通加工とは、商品や資材を目的地で加工したり組み立てたりすることです。商品の付加価値の向上や顧客ニーズを満たすことなどを目的としています。

海外流通加工には、十分に広い倉庫保管スペースと作業場、優れた作業能力を保有する必要があります。万全の品質管理体制で、日本人スタッフが常駐して流通加工を行うサービスを提供する会社もあります。

包装や梱包

海外物流には、商品や資材を適切に包装・梱包する作業が必要です。包装や梱包の主な目的は、品質保護や輸送効率化などです。

包装や梱包作業には、大量の箱やコンテナを準備する必要があります。重要な点は、商品の特性に合わせた適切な梱包を選択することです。

情報管理

海外物流における情報管理は、複雑な運用を円滑にする上でも欠かせません。

商品や資材の在庫情報から進捗の把握など、日々の運営に必要な詳細情報を正確に収集し分析を行うことで、ビジネスの効率性と効果性を向上させます。

情報管理の主な目的は、物流プロセスの最適化と可視化です。最適化により効率的な資源配分を行うことで、無駄を減らすことができます。一方、可視化は、データの把握を容易にし経営判断における意思決定を補助します。

情報管理は、物流のパフォーマンスを高めるだけでなく、企業全体の競争力を向上させるためにも重要な要素です。

通関手続きの流れ

通関手続きとは、商品や資材を国境を越えて輸送する際に税関に申告や検査を行うことです。通関手続きは、以下のような流れで行われます。

  1. 輸出者・輸入者が、税関に申告書を提出
  2. 税関が申告書を受理し、必要に応じて検査を行う
  3. 税関が申告書に対して通関許可を出す
  4. 輸出者・輸入者が、通関許可を受け取り必要な税金を支払う
  5. 輸出者・輸入者が、商品や資材を運送業者に引き渡し目的地へ向けて発送

通関手続きは、商品や資材の種類や数量・価格・原産地などによって異なります。また、国によっても税関の規則や手順が異なります。

そのため、通関手続きには専門的な知識や十分な経験が必要です。通関手続きをスムーズに行うためにも必要な書類や情報を事前に準備し、信頼できる運送業者や通関業者と連携しましょう。

輸出入で必要なもの

海外物流において、輸出入する際には以下のようなものが必要になります。

  • 商品や資材の詳細な情報
  • 申告書(インボイス・パッキングリスト・証明書など)
  • 通関許可
  • 税金(関税・消費税・特別消費税など)
  • 運送費(運賃・保険料・荷役料など)
  • 運送業者や通関業者の手数料

輸出入で必要なものは、商品や資材の種類や数量・価格・原産地などによって異なります。さらに、各国の税関の規則や手順も異なるので、輸出入する際には、事前に必要なものを確認し準備することが重要です。

海外物流の課題

海外物流は、手続きが多く容易に完結するものではありません。海外物流での課題を以下のテーマごとに解説します。

  • 海外企業とのやりとりが困難になりがち
  • 物流コストの算出が難しい
  • 在庫管理が難しい
  • アクシデントが起こる可能性がある
  • 物流の過程がわかりにくい
  • リードタイムが長い

海外企業とのやりとりが困難になりがち

海外物流では、輸出入先の企業とのコミュニケーションが重要です。しかし、言語や文化の違い、時差や法律の違いなどで円滑なやりとりができない場合があります。

また、契約書やインボイス(請求書)の作成や確認、納期や品質の管理などでトラブルが起こる可能性があります。

物流コストの算出が難しい

海外物流では、輸送手段やルート、関税や保険などさまざまな要素が物流コストに影響します。しかし、これらの要素は常に変動するため、正確な物流コストを算出することは難しいです。

為替レートや燃料費の変動、港湾料金や通関手数料の変更などで予想よりも高くなる可能性も考えられます。

在庫管理が難しい

海外物流では、商品の在庫管理も重要です。しかし、海外物流ではリードタイム(注文から納品までの時間)が長くなるため、需要予測や発注計画を立てることが難しいです。

需要が急増した場合や納品遅延が発生した場合は、在庫不足や在庫過剰に陥る可能性があります。

アクシデントが起こる可能性がある

海外物流では、商品を国境を越えて輸送するため、あらゆるアクシデントが起こる可能性を想定しておかなければなりません。

商品の紛失や破損、盗難や火災などで商品に損害を受ける場合があります。また、ストライキやテロ、自然災害などで輸送が遅れるリスクも考慮が必要です。

物流の過程がわかりにくい

海外物流では、商品の輸送状況を把握することも重要です。しかし、海外物流では複数の物流業者や関係機関とやりとりする必要があるため、物流の過程がわかりにくい場合があります。

商品の所在や到着予定日が不明確だったり、問い合わせ先が分からなかったりするケースもあります。

リードタイムが長い

海外物流では、商品を国境を越えて輸送するためリードタイムが長くなる場合があります。リードタイムが長いということは、商品の回転率が低くなり資金繰りや競争力に影響するということです。

顧客のニーズに応えられなかったり、市場の変化に対応できなかったりすることが課題です。

フォワーダーを使えば複雑な手続きを任せられる

海外物流には、上記で紹介したような課題が多くあります。海外物流の課題を解決する方法として挙げられるのは、フォワーダー(貨物輸送代理店)の利用です。

フォワーダーを使えば、以下のようなメリットがあります。

  • 輸出入の手続きや関税の支払いなどの煩雑な業務を任せられる
  • 輸送手段やルートの最適化やコスト削減の提案を受けられる
  • 在庫管理や納期管理などのサポートを受けられる
  • アクシデントへの対応や保険加入などのリスク管理を任せられる
  • 商品の追跡や問い合わせなどの情報提供を受けられる

フォワーダーの利用は、物流の効率化やリスクマネージメントを考慮する場合に検討すべき手段の1つです。

フォワーダーとは、海外物流に関するさまざまな手続きや業務を代行してくれる専門業者です。フォワーダーとはの記事で詳しく解説しています。

まとめ

円滑な海外物流を実現するためには、数々の物流に関する課題をクリアしなければいけません。海外物流においては、物流コストの算出や在庫管理、アクシデントへの対応など煩雑な業務が多いです。

海外物流の課題を解決する方法の1つとして、フォワーダーの利用があります。フォワーダーは、海外物流に関するさまざまな手続きや業務を代行してくれる専門業者です。実績と信頼のあるフォワーダーを選ぶことで、海外物流を成功に導けるでしょう。

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